緑黄日記

水野らばの日記

バズったツイートと学校の先生

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バズる

短期間で爆発的に話題が広がり、多くの人の耳目や注目を集め、巷を席巻すること。主にインターネット上におけるソーシャルメディア等を通じた拡散などについて用いられる。

 

 

バズった。

Twitterで『算数が出来ませんぴえん』という旨のツイートをしたところ、物凄い勢いで拡散され、沢山の人の目に触れたようだ。Twitterでは、そのツイートがどれだけの目に触れたかを『インプレッション』という形で知ることが出来る。このツイートは、なんと1400万人(回)以上に閲覧されたらしい。驚くべき数字である。全員が日本国民だと仮定すれば、日本国民の実に8人に1人が僕のツイートを見たということになる。なんだそれ。ぼた餅くらいの石をにぎり、大衆に向かって投げる。人の頭に当たる。その人は8分の1の確率で僕のツイートを見ている。僕の恥が沢山の人に広まってしまった。

 

大阪から京都に移住するに当たって、会社やら役所やら不動産会社やらの手続きをしていた時のことである。窓口の担当者に言われるがまま、個人情報を書き、万札を払い、判子を押していた。何に個人情報を使うのか、何のお金か、何の契約かほとんど理解しないまま、それでも理解をしている振りをして、ジェットコースターで目を瞑るように手続きを進めていた。

不動産会社のお兄さんが、僕の新しい勤務先の採用通知書類を見ていた時である。採用通知書類がなぜ必要なのか全く理解しないまま、理解しているふりをして、ただヘラヘラとしていた。僕は「この状況、何かに似ているな」と思った。あれだ。居酒屋でのお支払い時に小銭やらお札やらを駆使して割り勘を達成しようとするムーブだ。あの時、僕は1ミリも理解しないまま「なるほどね」という顔をしている。

以上がツイートのきっかけである。

 

ツイートがバズったことでネット番組の取材を受けた。ツイッターのDMでのインタビューに対し、計500文字くらいで答えた。後日、放送内容を送ってもらい、確認すると、僕の答えた内容が15文字くらいになって放送されていた。「僕の話は必要な部分が少ないのだな」と思った。アーティチョーク(キク科の野菜、可食部が非常に少ないことで有名)かよ。僕の話はアーティチョークかて。

 

先ほど、『新しい勤務先』と言ったが、僕は4月から学校の先生になるのだ。人にものを教える立場になるわけだ。教科は理科である。算数ができないことが露呈すると、僕の沽券、威厳、話の説得力に関わってくる。

 

「ねぇねぇ水野先生、なぜ理科を勉強しなくちゃいけないの。ボールを落として何秒後に地面につくかなんて知っても役にたたなくない?」

「お、いい質問だね。そうだね。まぁ『役に立つ』の定義にもよるけど、役に立たないね。いや、正確にいうと役に立つところまでいっていない、というところかな。と言うのもね……」

(中略)

「でも、学ぶ意味は十二分にあって、今、勉強しているところは、ざっくり『力学』という分野なんだけど、これは基本的に『知っている知識を積み重ねたり、組み合わせて問題を解いていこう』という勉強なんだ。これは、世に溢れる課題に対してのアプローチに似ていて、課題を解決していく方法は、大体、『数ある解決策候補の中から何が有効か考えて試す』というプロセスを踏むんだ。それをこの『力学』を通して学ぶんだよ。そもそも『結晶性知脳』『流動性知脳』というのがあってね……」

(中略)

「だから、勉強をするといいんだよ」

「なるほど。水野先生は算数を勉強していなかったから割り勘の計算ができないんだね」

「ぴえん」

 

こんな人間が学校の先生になります。文句は文科省に言ってください。