緑黄日記

水野らばの日記

小学生にめちゃくちゃな嘘を仕込みたい

 

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小学生に勉強を教えている。上司のご子息に勉強を教えているのだ。

 

上司の小学生の息子が学校の勉強に全くついていけなくなったらしい。彼は勉強嫌いではないのだが、学校の先生が何を言っているのか理解ができていないようだ。上司はそんな息子を見兼ねて、彼を塾に入れようか、はたまた家庭教師をつけるかを悩んでいた。

 

そこで白羽の矢が立ったのが僕である。僕は大学で教職を取り、教員免許を持っている。しかも小学校、中学校、高校の先生になることができる。我ながらすごい。上司としても、塾や家庭教師を斡旋している会社に中間マージンを取られた上、その辺の有象無象の大学生なんかに息子を託すよりも、『教育』という専門的な訓練を積んだ知り合いに息子を預ける方が得策だと考えたようである。また、僕としても高額なおひねりをもらえた上に上司の弱みを握ることができる。諸君、これが出世街道裏ルートである。

 

上司に家庭教師の打診を受けた時、「そこで僕にお鉢が回ってきたわけですね」と言う『生きているうちに一度は言ってみたいセリフ』のひとつを消化した。僕は、昔の西洋を描いた作品などに登場する上流階級のお嬢様の執事兼教育係になることが夢なので、その足掛かりとしては最適だろうと思い、快諾した。

 

ご子息に勉強を教え始めて僕はすぐに気がついた。彼は『THE 勉強が下手なやつ』であった。理解に乏しいとか、やる気がないとか、そういった子供よりも楽である。ただ、本当に下手なのだ。(親、今まで何してたんだよ)と思うし、「親、今まで何してたんだよ」と上司に向かって言っている。先日は上司を正座させて説教をしたほどである。

 

小学生、本当に何にも知らない。ウケちゃう。ラーメンに入っているメンマを『割り箸を煮込んだやつ』だと思っているし、最高裁判所を『最高か否かを判断する場所』だと思っている。こちとら24歳の大人だ。知識としては圧倒的な差がある。しかも先生と生徒という関係だ。小学生は無条件に僕を信じる。これを利用しない手はないだろう。

 

彼にめちゃくちゃな嘘を教え込みたい。小学生はめちゃくちゃな嘘でも信じるであろう。めちゃくちゃな嘘を信じたまま生きていき、彼が少し大人なって真実を知って、それを揶揄され恥をかいた時のことを考えると最高である。

 

現在、彼の中で、彼の父(広告代理店勤務)は『ペガサスの羽をもぎ、羽は手羽先に、本体は競走馬にする』という仕事に就いていることになっている。