緑黄日記

水野らばの日記

奈良で大量の鹿を見て爆笑する

 

f:id:rabamizuno:20190523164751j:plain

 

有給休暇を取った。

 

今年度から働き始め、人生において未だ取ったことのない有休というものを取ってみたかったのだ。会社員と言えば有休、有休といえば会社員である。晴れて会社員となったわけだから有休を取るのが矜持というものだ。

 

先日、「そうだ有休とろう」と、お昼休みに思い立ち、有休の申請を行った。申請を終えた後、上司に「有休を取ります。初めての、初めての有休です。テンション上がっちゃいますね」とにやにやしながら言った。すると、彼は「有休ですか。良いですね。何かあるのですか?」と僕に問うた。僕は一瞬、彼の言葉の意味がわからなかった。そこで脳内をフル回転させ、遠心力で脳が外側に押し付けられた時、ここで初めて、有休がその日の分の給料が出る休暇、つまり会社に来なくてもいいのだと悟った。

 

普通、有休は手段として使う。体を休めたり、遊びに行ったり、趣味に充てたり、有休はそういった目的を達成するための手段である。しかし、僕の場合は、有休を取ることが目的になっていたため、有休を取ったその日のことを全く考えていなかったのである。僕は彼に「全く考えていなかったんですけど、何したらいいですかね?」と聞いてしまった。

 

そういうわけで、近鉄奈良駅に降り立った。ここは『奈良と言えば』で連想するものの8割の最寄り駅である。奈良の大仏、奈良公園、鹿、東大寺、鹿、春日大社、鹿、鹿、興福寺、元興寺、堂本剛、奈良まち、鹿。そして鹿。正確には『最寄り駅であるらしい』だ。僕は人生で初めてこの地に降り立ったのだ。

 

本やネット、テレビなどで、奈良の鹿が度々取り沙汰される。この付近では鹿がそこら中におり、人間の間を平然と闊歩し、群れをなして歩くのだという。そして鹿は時に頭を下げ、人間から『鹿せんべい』をもらって暮らしているという。僕は、それらの文章、映像、写真を見て、「いや、嘘つけよ」と思っていた。鹿がそんなことをするはずがない。僕の地元では、鹿と言えば山で暮らし、たまに里に下りてきては農作物を食い荒らして帰っていく害獣である。本当であれば是非見てみたいものだと思った。

 

近鉄奈良駅の地下のホームからエスカレーターで地上に上ると、そこは商店街の入り口であった。『東向商店街』である。ここは盛り上がった台地の上にある興福寺の元、その西側に並ぶように建てられた建物が起源であるといわれている。興福寺を見上げるよう、東向きに建物が作られたことから『東向商店街』と呼ばれたらしい、でお馴染みの商店街だ。これは完全にブラタモリの知識である。NHKの受信料を払っていてよかった。みんなも早く受信料を払った方が良い。

商店街は多くの人でにぎわっている。アジア系やヨーロッパ系の観光客が多い。

 

僕は、東向商店街は後回しにして、お目当てである春日大社を目指すことにした。僕は神社が好きなのだ。春日大社の御祭神であられますタケミカヅチさんは、僕の地元、出雲を見守る出雲大社の御祭神であられますオオクニヌシさんと縁の深い神様だ。遠い昔の日本の各地方の結びつきについて思いを馳せることができるのも神社の魅力である。

 

春日大社に向かって駅前の大通りを東に向かって歩いた。今頃、会社では先輩や同僚、上司、社長までもあくせくと働いていると思うとウケる。「労働乙www」である。

 

ちょっとした坂を上ると、右手に芝生らしき緑が敷かれた広い空間が見えた。スマホで調べるとそこは、もう、かの有名な奈良公園の一部であるらしい。「ここがもう奈良公園なのか」と思いながら眺めていると、子供の背丈くらいはあろうかという4本足の茶色い物体が蠢いている。鹿だ。鹿の群れだ。柵の中にとかではない。普通に、普通にいる。顔に自由と書いてある。30頭はいようか。鹿たちは首を垂れ、一心不乱に地面の緑を食んでいる。数匹は観光客からせんべいらしきものをもらってもぐもぐと食べている。観光客からもらう鹿は恐らく、鹿としての気高さ、恥を捨てた連中であろう。鹿たちの中でも後ろ指、もとい後ろ蹄を指されている。

 

大量の鹿を見て僕は爆笑した。「そんなわけなくない?」と思い、一人で声をあげて笑ってしまった。「鹿いっぱいいすぎワロタwww」である。冗談にしか見えない。だって鹿がいっぱいいるのだもの。鹿がいっぱいいるという奈良の大ボケである。

 

奈良は鹿がいっぱいいて面白い。