緑黄日記

水野らばの日記

ニートが社会人サッカーチームの練習に参加してきた話

 

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先日、地元の友人に誘われ社会人サッカーチームの練習に参加してきた。

 

僕は現在、肩書としては一応大学生であるものの、実際の生活は親の飼い猫ことニートである。猫を飼うのに比べ、莫大な費用がかかるが、猫と違ってトイレの場所もすぐ覚えるし、爪切りも自分でする。食器も自分で洗うし、洗濯物も自分で畳む。可愛さも申し分ない。でお馴染みのニートである。

社会人の集まりにニートが参加させてもらった格好だ。

 

 

小中高とサッカー部で汗を流してきた僕であるが、サッカーをするのは約6年ぶりである。昔取った杵柄はすり減りにすり減り、ハリガネムシのような細さで今にも折れそうである。なんならこの前10メートルくらい走った時に折れた。最近はもっぱら運動不足で山奥の石くらい静謐な日々を送っている。最近の最大の運動といえば、川で見つけたヌートリアを木の枝で追い回したことである。成人男性がすることではないというツッコミはご容赦いただきたい。ニートは暇なので。

そんな運動不足である僕が社会人サッカーチームの練習をするとどうなるか?想像に難くないだろう。

 

脚と肺が亡くなる。

 

 

仕事終わりの友人と共に夜のグラウンドに行くと青年たちが10数人集まっていた。彼らも仕事終わりであるらしい。本読んで音楽聞いてYoutube見て一日を過ごした僕とはえらい違いだ。納めている税金の額も全然違う。働いているみなさんお疲れ様です。

 

高校の時のサッカー着に着替え、挨拶をすまし、ウォーミングアップに参加する。ウォーミングアップとは、物の本によると『心身を安静の状態から運動に適した状態へ移行させること』とある。つまり準備体操である。しかし僕にはこれがきつい。アップでダウンしそうなほどだった。アップであっぷあっぷだ。喘鳴と一緒に駄洒落も出る。

別に特異なことをやってるわけではなく、サッカーをしていた者にとっては普通のウォーミングアップであった。高校時代の僕であれば軽くやってのけるだろう。しかしきつい。助けて。体が重い。助けてくれ。死ぬ。

 

肺と脚が警告音でピーピー鳴っている僕をよそに練習はボールを扱ったトレーニングに移行する。これまた高校時代の僕であれば簡単にこなしていたものであるが、運動不足の僕にはこれがきつい。脚が泥にとられるように、いやもう脚が泥になっているのではと疑うほど重い。途中友人に「僕脚ちゃんと生えてる?」と確認した。

そして脚と肺がエマージェンシーを出したので監督にギブアップを伝えた。

 

その後、練習は続いていくが、僕はグラウンドの端の方でボールとじゃれ合いながら猫のように遊んでいた。

 

試合形式の練習に入ると名前を呼ばれた。どうやら参加しろということらしい。脚と肺が「マジで???」と言っていたが無視して練習に参加することにした。

プレーを始めるとゲームスピードが想像の4倍くらい早かった。人の動きもボールの動きも早い。よく画面越しでサッカー観戦をする僕なのだが、プロの試合を上から見るより数倍早く感じた。恐らくこれがアインシュタイン先生の言っていた相対性理論なのだろう。時間の流れとは一定でないのだ。

画面の向こうでプレーするプロの選手たちに、やれ「スペースに走りこめ」だの、やれ「右空いてる!パスしろ」だのと言っていたのが、今は心から謝罪したい。今度からは「スペースに走り込みあそばせ!」「パスをお出しになってくだせぇ!」ということにする。

 

試合形式の練習は進む。

 

右サイドライン際にポジションをとる僕(足がつりかけている)

パスを受ける僕(足がつりかけている)

ゴール前に走りこむ選手にパスをする僕(足がつっている)

 

かくして試合形式の練習が終わった。吐きそうだ。こんなことならご飯をいっぱい食べるんじゃなかった。立ち上がれない。こんなことならもっとちゃんと生きていればよかった。あの時ちゃんと単位をとっておけばよかった。あの時ちゃんと賞味期限を確かめていれば。あの時あの子の気持ちに気づいていれば。後悔はつきないものである。

 

練習が終わる。僕の脚と肺も同時に終わる。