緑黄日記

水野らばの日記

ピアノに辿り着けない(LA LA LAND感想)

 

当時の流行の波には乗れなかった「ラ・ラ・ランド」をついに観た。テレビを真正面に相手取り、コーラとポテトチップスを机に広げ、家用ダサ眼鏡をかける。僕の本気鑑賞スタイルである。

 

トレイラーでもあった交通渋滞の中での歌と踊りから始まり、夢を叶えるために奮闘する女優志望のミア(エマ・ストーン)とジャズピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)の2人のストーリーが繰り広げられる。そして、最後はイフストリーが流れ、現実の2人は口角をあげたまま別れていく。

 

めちゃくちゃ面白かったはめちゃくちゃ面白かったのだが、僕の感情のウェイトの4割くらいを『僕はセブにはなれない』が占めていた。2割は『ポテチのしあわせバター味美味しすぎる。多分これが徳永英明が教えてほしかった「本当の幸せ」なんだろうな』である。

 

この作品を通してずっとセブの衣装が格好良すぎる。これが大人か、これがアメリカか、これが資本主義かと。これがアメリカンドリームかと。

 

ワイルドな濃い茶色のジャケットを羽織り左ハンドルのオープンカーを乗り回し、綺麗な濃紺のスーツでピアノを弾く。白黒ツートンカラーのドレスシューズで丘の上を舞い、上下で繊細なくらい濃さの違うベージュのスーツで映画を見る。最後のシーンのスーツはあれ何色?スーツ屋さんで何色って言ったらあれが出てくるの?とにかくセブの衣装が格好いい。

 

ここで僕が最近買った服を観てほしい。

 

f:id:rabamizuno:20190209104624j:plain

このざまである。

 

こんな格好のやつがセブになるはずがない。こんな格好のやつをミアは好きにならない。キースもこんな格好の旧友をバンドに誘わない。

「ヘイ!水野!そのいかしたパーカーはどうした。森の英霊たちでも祭ってるのかい?動物の保護規制も強くなってるからな。気をつけろよ。お前が足を洗ったらまた飲みに行ってやるよ」

である。人を違法に動物を輸入して加工する悪徳業者呼ばわりである。

 

ピアノ弾きの僕を雇ったバーのマスターも言う。

「全く、水野には困ったものだ。いつもセットリストにない曲をやる。今日違う曲をやったら即刻クビにしてやるからな。(カランコロンカラン)あっ!来たか。ようこそ水野、今日こそ……今日は一段と大所帯だな。クビだ。」

ピアノを触るところまでたどり着けない。

 

僕はセブになれない。