緑黄日記

水野らばの日記

サボテンを育てる青年

新緑萌ゆる昨年の5月、私は花屋の店先にしゃがみこみ、雑然と陳列されたサボテンを眺めていた。 先の春に大阪のコンクリートジャングルを抜け出し、京都に根城を構えた。1Kの安アパートであるが、存外気に入っている。安アパートから安アパートへの家渡であ…

過去の自分を名推理で追い詰める

先日、根城である安アパートの一室で僕は慌てていた。 新幹線の発車時刻が迫っている。もう家を出ないと間に合わない。しかし、僕は家を出ることが出来ないでいた。何故か。家の鍵がないのである。いつもは玄関横の洗濯機に取り付けたマグネットフックに鍵を…

「COあります」

『人狼ゲーム』を知っているだろうか。 簡単に説明すると、『人狼ゲーム』とは「市民」「人狼」のふたつの陣営に分かれ、各陣営で協力し合い、勝利を目指すゲームである。「市民」は「市民」に紛れた「人狼」を各役職(能力)によって探し出して吊し、「人狼…

改札で象の雄叫びを聞きたい

先日、駅の改札を通ろうとした時、僕の前方に小学校中学年くらいの男の子がいた。 彼は小さな体を気品溢れる制服で身に包んでいた。通学途中なのであろうか。小学生がひとり電車に乗って学校に向かうとは、やはり気品の大都会、京都である。僕のように鼻水を…

秋は過大評価され過ぎている

先週の土曜日、僕は職場の印刷室にいた。職種的に本来であれば土曜日は休日である。しかし、僕は職場にいた。土曜日に出勤しなくてはならなかったのである。人間を休日に働かせて、この国はどうなっているのだろうか。国連に電話を入れた方がいいかもしれな…

ドジっ子メイドになるしかない

なんたる失態だ。僕は自室のドアの前で途方に暮れていた。 先日、カフェでパフェを頬張ってから、ほくほく顔で我が根城であるアパートに帰った。起居する部屋のドアの前に立ち、ポケットから鍵を取り出して鍵穴に挿そうとした瞬間、ドアポストに郵便物が挟ま…

「片付け術」を披露したい

先日、職場に置いてあるテレビを見ていると、「片付け術」なるものが紹介されていた。番組は情報バラエティであるらしく、ある「片付けられない人」のご家庭に「片付けのプロ」と名乗る人物がお邪魔し、収納棚の作り方や、空間の活用方法、ものの取捨選択な…