緑黄日記

水野らばの日記

ドジっ子メイドになるしかない

なんたる失態だ。僕は自室のドアの前で途方に暮れていた。 先日、カフェでパフェを頬張ってから、ほくほく顔で我が根城であるアパートに帰った。起居する部屋のドアの前に立ち、ポケットから鍵を取り出して鍵穴に挿そうとした瞬間、ドアポストに郵便物が挟ま…

「片付け術」を披露したい

先日、職場に置いてあるテレビを見ていると、「片付け術」なるものが紹介されていた。番組は情報バラエティであるらしく、ある「片付けられない人」のご家庭に「片付けのプロ」と名乗る人物がお邪魔し、収納棚の作り方や、空間の活用方法、ものの取捨選択な…

ともだちと遊ぼう

「○日ひま?」 友人からメッセージが飛んできた。僕は「ひま」と返す。すると、「じゃあ、○時に○○に来てよ」と集合場所と時刻だけを伝えられた。僕は承知した旨を送り、スタンプで会話を終わらせる。まことに余白の多いやりとりであるが、ここで「何するの?…

教育実習を振り返る

いつもどおり、いたいけな少年少女たちに科学を説く。しかし、普段と異なる点がひとつだけある。僕の正面、教室の後ろに教育実習生が立っているのだ。彼女は真剣な眼差しで僕と僕の書いた黒板を見つめ、何やらいそいそとノートに書き込んでいる。「僕の授業…

美容師さんと会話を弾ませたい

ある雑居ビルの前でぐるぐると低回する青年がいる。無論、僕である。 青年は眉間にシワを寄せ、奥歯に苦虫が挟まったような顔で雑居ビルのエレベーターをまじまじと見つめる。そして夏空を仰ぎ、マスクで口元を隠した通行人を見渡し、はぁとため息をついて、…

お料理対決をしたい

夏休みの昼下がり、僕は冷房の効いた6畳の部屋でグダグダしていた。 ベッドに寝っ転がって、可愛い女の子が朝食を作るだけの動画を見る。ああ、可愛いくて万人に愛される背の低い女の子になりたい。背の低いミステリアスな美少女たる僕の笑顔を取り戻すため…

ヒヨコとペンギンのワイシャツ

夏の初めに半袖のワイシャツを買った。 僕は数年前まで「半袖ワイシャツを丁度良く着れる季節なんてない。半袖ワイシャツを着ているやつは体の温度を司る機能が終わっている」という偏見を後生大事に抱えていた。今では幾分マシになったが、僕は自意識がアマ…