緑黄日記

水野らばの日記

教育実習を振り返る

いつもどおり、いたいけな少年少女たちに科学を説く。しかし、普段と異なる点がひとつだけある。僕の正面、教室の後ろに教育実習生が立っているのだ。彼女は真剣な眼差しで僕と僕の書いた黒板を見つめ、何やらいそいそとノートに書き込んでいる。「僕の授業…

美容師さんと会話を弾ませたい

ある雑居ビルの前でぐるぐると低回する青年がいる。無論、僕である。 青年は眉間にシワを寄せ、奥歯に苦虫が挟まったような顔で雑居ビルのエレベーターをまじまじと見つめる。そして夏空を仰ぎ、マスクで口元を隠した通行人を見渡し、はぁとため息をついて、…

お料理対決をしたい

夏休みの昼下がり、僕は冷房の効いた6畳の部屋でグダグダしていた。 ベッドに寝っ転がって、可愛い女の子が朝食を作るだけの動画を見る。ああ、可愛いくて万人に愛される背の低い女の子になりたい。背の低いミステリアスな美少女たる僕の笑顔を取り戻すため…

ヒヨコとペンギンのワイシャツ

夏の初めに半袖のワイシャツを買った。 僕は数年前まで「半袖ワイシャツを丁度良く着れる季節なんてない。半袖ワイシャツを着ているやつは体の温度を司る機能が終わっている」という偏見を後生大事に抱えていた。今では幾分マシになったが、僕は自意識がアマ…

夏の覇者になりたい

梅雨が明けた。 京都の空を長きにわたって覆っていた梅雨雲はようやく逃げ去り、透き通るような青みを帯びた空には夏の権化とも言うべき入道雲が立ち昇る。湿気にくるりんと丸まっていた前髪も今では「良い感じですヨ!」と歓びの声を挙げている。タイミング…

10万円の使い道

10万円が手に入った。 言うまでもなく、特別定額給付金である。世情に当てられた家計への援助という名目で、政府からお金が還付されたのだ。先日、申請していた給付金が口座へと振り込まれた。先日、7月の中頃に。僕の住む京都市において、市民の口座にお金…

学生気分が抜けていないので残業をしている

先春、新卒で入った小さな会社を辞め、学校の先生となった。現在、働いて4ヶ月目になる。 会社員から学校の先生へ転身をしたわけだが、これは学校の先生になるのが夢だったとか、子供が好きだとか、教育界、ひいては日本を変えたいとか、そういった崇高な理…